
"You are what you eat."
これは私たち人間と食=栄養の関係を簡潔に、しかも適切に言い表しています。日本語では、”あなたはあなたの食べたものでできている”。あるいは”食は人を作る”と訳されます。たった今ある私たちは、生まれてから食べてきた食事、つまり栄養素でできています。このことは誰も否定することができない真理ということができるでしょう。そして私たちの身体だけでなく脳の組織は、常に入れ替えを行い機能を維持しています。
組織の入れ替えには、常に新しい栄養素が必要であり、適切な栄養素が供給されることによってより良い組織に作り替えることが可能になります。つまり適切な栄養素の補給は、身体だけでなく脳の機能を上げることもできるのです。
この講演で紹介するオーソモレキュラー栄養療法は、1960年代からカナダやアメリカで始まりました。当時は、統合失調症のような精神疾患の治療で始まったこともあり、今ではうつ病、睡眠障害、不安障害などの症状へ応用されています。栄養療法によって認知機能を整えることによって、その他の心理的アプローチなどの効果が高まるため、多くのカウンセラー、心理療法士などに注目されています。
講師プロフィール

溝口徹
医療法人回生會・理事長、「みぞぐちクリニック」院長。横浜市立大学医学部付属病院、国立循環器病センター勤務を経て、神奈川県藤沢市に「溝口クリニック(現 辻堂クリニック)」を開設。一般診療に分子栄養学的アプローチを実践。2003年に日本初のオーソモレキュラー栄養療法専門の「新宿溝口クリニック」を開設。2021年に東京・八重洲に移転。診療とともに、患者や医師向けの講演活動を実施。著書多数。