
ホリスティック医学の究極は、生と死の統合です。生と死の統合とはこの世だけを見つめるのではなく、あの世も視野にのうちに入れて、あの世に対する期待と願望をもって歩を進めるのです。
がん治療の現場に身を於いて63年目。最初の20年間は外科医として食道がんの手術に明け暮れ精を出し、次の5年間は中西医結合によるがん治療に徹し、その後ホリスティック医学を追い求めてということになります。その中で気づいたことの1つに、医療とは、患者さんと治療者が寄り添い合うことにあります。それも、体と心で寄り添うだけでなく、命で寄り添わなければなりません。それができるのは、生と死を統合した治療者なのです。
私の目の前で生と死を最初に統合したのは、太極拳の楊名時先生ですが、爾来、多くの人が生と死の統合に成功しました。そして気づいたのです。統合に成功した人には優しさと、えも言われぬダイナミズムが備わっていることに。こうしてホリスティック医学は、地球の自然治癒力の強化ももたらすのです。
講師プロフィール

帯津良一
東京大学医学部卒。東京大学第三外科、都立駒込病院外科を経て、1982年11月、郷里の川越市に帯津三敬病院を開設。現在は名誉院長。
日本ホリスティック医学協会名誉会長。日本メディカルホメオパシー学会理事長。楊名時太極拳師範。